こんにちは。岡山県でエアコンクリーニングサービスを提供しているハレピカです。
このページでは、今までエアコンクリーニングを頼んだことがない方に向けた、エアコンについての豆知識や役立つ情報を発信しております。読んでくださる方のお役に立てれば幸いです。
前回はエアコンが汚れる仕組みについてお話しました。
エアコンとは、冷房や除湿を使い続ければカビが発生し、数年でそのカビをまき散らすようになる恐ろしい家電製品だということはご理解いただけたと思います。
それでも「我が家のエアコンは自動お掃除付きだから大丈夫」と思っている方も多いのではないでしょうか?
今回は、その自動お掃除機能のメリット・デメリットについて書きたいと思います。
このページを読めば、自動お掃除機能付きの正しい知識と購入ポイントが学べますので、最後まで読んでいただければ幸いです。
自動お掃除機能付きエアコンという発明
エアコンメーカー各社も、カビカビになるエアコンをどうにかしようとして、毎年のように新商品を開発しています。その一つが
『自動お掃除機能付きエアコン』
素晴らしい発明です!エアコン自身がフィルターや内部を自動で掃除してくれるという、忙しい現代社会においては全米の奥様が泣いたレベルの大発明です!笑
自動お掃除機能付きエアコンの歴史
説明書には、
「エアコンフィルターや室内ユニットの内部を自動でお掃除。キレイな空気であなたの暮らしを包みます。」
のキャッチコピー。
自動お掃除機能付きエアコンが発売されてからというもの、電気屋の店員さんたちは、
「自動でお掃除してくれるから手入れ不要ですよ!」「10年掃除いらずですよ!」
と、セールストークを乱用し、お客様もこぞって買いまくった歴史があります。
現在では、熱交換器を凍らせてホコリを洗い流す機能や、逆に熱交換器を高熱にしてカビを滅菌?する機能、送風ファンのホコリを自動的に掃除する機能までついてるエアコンもあります。
自動お掃除付きエアコンの実力
自動お掃除エアコンには、主に2つの機能があります。
①フィルター自動お掃除機能
②本体内部お掃除機能
詳しくは下に書いていきます。
自動お掃除付きエアコンの特徴とメリット
①は文字通り、エアフィルターのホコリをロボットが自動的に掃除してくれる機能。取ったホコリは、勝手に屋外に排出する自動排出式(パナソニック、一部シャープなど)と、ダストボックス式(ダイキン、日立など)の2パターンがあります。エアコンの中に小型のロボット掃除機が入ってると思えばイメージしやすいかと思います。
②は、定期的に内部を送風や暖房運転にすることで、内部のカビの繁殖を抑制する機能です。かんたんに言うと、乾燥させて内部を乾かしているのですね。(一部の機種に例外もありますが、効果としてはさほど大差ないように思います。)
そして、お掃除機能付きエアコンのメリットは大きく3つ。
①高いところに上るのが苦手なご高齢者には、フィルター自動お掃除機能は非常に便利
②内部お掃除(乾燥)機能により、カビの繁殖を抑えられる。(カビないわけではありません。)
③お掃除機能はハイグレード機種に多いので、なんといっても電気代が安い
ここまで読むと、
「それならやっぱりお掃除機能付きがいいじゃん!!よっしゃお掃除エアコン買い行くぞー!!」
というダンナ、早まる事なかれ。
現実は⇩の写真をご覧ください。
⇧実際のお掃除機能付きエアコンの吹き出し口の画像(上が使用2年、下が使用3年時点)
新しい技術でも完璧ではありません。
そう、結局カビは飛んでくるのです。
なぜこれだけの技術がありながら、変わらずエアコンは汚れてしまうのでしょうか?
AI化が進む現代の技術でも、カビの発生を完全に防ぐことはできない
結局大自然には勝てないということですね。理由は主に2つ。
①現在の技術の限界
お掃除機能の主な仕事は、エアフィルターをロボットが自動で掃除したり、内部を乾燥させてカビの繁殖を防いだりしてくれます。
また、イオン発生装置内蔵のエアコン(プラズマクラスター、ナノイー、ダイキンストリーマー等)はカビ菌などの除菌をしてくれるものまであります。
それらの技術によりカビの発生を抑えることは出来るのですが、一度発生したカビを完全にやっつけることはできないのです。そんな技術があったら、とっくに発表されているでしょう。つまり、これが現代のエアコンの技術の限界と言えます。
②気密性の高い現代の住宅事情
『高気密』って言うと、良いイメージばかりな人が多いのではないでしょうか?
高気密・高断熱の家、憧れますよね。
新築物件の広告キャッチフレーズを見ると
とにかく高気密推しですね。笑
いい事ばかり書いてます。
では、みなさんは『シックハウス症候群』という言葉を覚えていますでしょうか?
今から約15年以上前に、国が定めたシックハウス対策の関連法令があります。
生活環境におけるシックハウス対策|厚生労働省生活環境におけるシックハウス対策について紹介しています。www.mhlw.go.jp
知っておきたい建築法規/建築基準法解説(抜粋)www.iny.jp
平成15年に、建築基準法が改正され、平成15年7月以降の建築物に関しては、機械換気設備の常設が義務付けられました。
なぜこのような対策が施行されたかというと、
過去30年間を見ただけでも、住宅がどんどん高気密化しており、それによる健康被害が多発したからです。
気密性が上がるということは、熱だけじゃなく部屋中のハウスダストなどの有害物質も、建物の外に逃げなくなるということなんです。
だから現在の建築基準では、新築には『必ず』24時間換気システム等の換気設備を常設しないといけません。
そうしないと、家にいるだけで体調を崩す人が続出するでしょう。
ちなみに今から30年前に、エアコンクリーニングの存在を知ってましたか?
知らなかった方がほとんどではないでしょうか。
なぜなら、30年以上前の主流の住宅は俗にいう『日本家屋』。
低気密、低断熱のお手本みたいな住宅です。笑
つまり、旧来の日本家屋では、ハウスダストなどの有害物質が屋外に逃げやすく、健康被害も少なかった。(ホコリが多い部屋は別ですが)逆に、近年の住宅の高気密化によって部屋中にハウスダストが留まり続け、それをエアコンが吸い込み続ける事で、カビが発生しやすいシステムが出来上がってしまったとも言えるのです。
エアコンクリーニングがここ十数年で一気に知名度を上げたのは、こういった住宅事情から来る背景があったのも大きな理由だと思います。
お掃除機能の現在と未来
私は、現状のお掃除機能エアコンが、良いとも悪いとも思いません。
『内部を綺麗にする』という観点から言うと、お掃除付きも普通機も大した差は無いと思っています。
「クリーニング料金が高くなるだけ損やん!」と思う方もいるでしょうが、高機能エアコンはその分省エネも凄いので、使用頻度が高いエアコンほどトータルコストでは割安だと思います。(出たばかりの新製品を選ぶ人は例外ですが)
確かに現在の技術では、エアコンから完全にカビを葬り去る事は難しい。しかし、日進月歩。年々お掃除機能の技術も進化しています。
車だってそうですよね。自動運転技術はまだ使えるレベルではありませんが、これから技術の進歩に私たちは期待しています。
最初のお掃除機能付きモデルが出たのは2003年、まだ16歳なのです。
私たちの子供や孫が大きくなる頃には、エアコンからカビの無い未来が訪れるかもしれません。
何を選ぶかは、結局あなた次第です。
まとめ:自動お掃除付きエアコンも、数年に1度はエアコンクリーニングが必要です
以上、自動お掃除機能付きエアコンのメリットとデメリットの解説でした。
自動お掃除付きエアコンを使用している方も、内部は数年で汚れてしまいます。安心することなく定期的に内部のチェックをしてあげてください。
次回は、エアコン洗浄スプレーついて書きたいと思います。
今日も皆さまの健康と幸せを願って。ありがとうございました。